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中1秋から不登校でした。その後高卒認定を取得し、通信制高校で高卒資格をとりました。この記事は、私のような不登校・元不登校で、中学校範囲の勉強ができるようになりたいという人に向けてのものです。
不登校の子の、保護者の皆様へ。
この記事は、やってみようという気になったご本人に向けてのものです。やりたがらない子にやらせたり、勝手に塾を契約したり、勉強の話を出してみたり。そうやって勉強を強制することは、どうかやめてください。
SNSで、何人もの不登校の子と話しました。少しでも勉強している子は、みんな学校に行かないことについて親からの理解がある子でした。なんで行けないんだと自分を責めたり、誰かに責められていると感じている間は、前向きなことを考えられるような精神的な余裕がありません。本人が自分を受け入れて、保護者も受け入れてくれていると感じられるようになれば、心に余裕ができて自然とやってみようという気になる時が来ます。それまで、どうか、待ってあげてください。
不登校、メリットもある
不登校になってから、勉強の遅れを取り戻すのにかなり苦労しました。でも、不登校だからできたこともありました。
学校の進度で進めていたら、前の学年の範囲などがわからないときでもどんどん進まなければいけません。掛け算ができないと割り算はできないし、2桁同士の掛け算ができなければ小数の掛け算もできないのは当然ですが、学校ではそういうとき、わからなくてもとりあえず進めなければいけません。でも学校から離れてしまえばそんなことありません。わからないところに戻って、そこから自分のペースで進めることができます。わかるところはさっさと終わらせて、わからないところに時間をかけることもできます。
私の経験で言うと、独学で勉強するようになってから、「あ、私って社会が苦手なんじゃなくてあの先生が苦手だったんだ」と気付いたこともありました。学校あるあるの「先生が苦手だからこの教科は嫌」とか「この教科は好きなのに先生がまとめノートを出させるのが嫌」は、不登校なら避けられます。
自分にあったやり方とペースで勉強できれば、学校に頼らなくても勉強に追いつくことも、追い越すことも可能だと思います。不登校だからと自分を責めないでください。一緒に頑張りましょう!
まずやるべきこと――自分に向いている勉強法を見つけるために
初めに、進学したい、資格を取りたい、失った時間を取り戻したい、なんでもいいので、ぼんやりとでも目標を設定してください。
自分に向いている勉強法を見つけるためには、自分を客観的に見てみることが大切です。
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三日坊主になりやすいのか、始めてしまえば継続できるのか
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自分で計画を立てたり、その通りに進めることが得意かどうか
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進学などで期限があるのか、期限はなく自分のペースでゆっくり進めたいのか
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誰かにやり方を決めてもらった方が楽なのか、自分のやり方でやりたいのか
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授業を受けることが苦痛でないか
特に、「授業を受けることが苦痛でないか」は大切だと思っています。授業は学校を思い出して嫌だという人は結構いるかと思いますし、また、聴覚情報処理が得意な人と、視覚情報処理が得意な人がいて、このタイプの差で向いている勉強法は違います。
授業を受けているときのことを思い出すのが嫌でなければ、よく思い出してみてください。
先生の話を聞くよりも教科書や黒板を見ていた方がよく分かる人や、国語の文章問題は解けるのにリスニング問題が極端に苦手だった人は、視覚優位です。つまり、映像授業などよりも参考書などで勉強するのが向いています。
教科書や参考書などを読んでもよくわからない、先生が言っているのを聞いた方がわかるという人は、聴覚優位です。授業を受けて勉強するのが向いています。
また、授業が苦手な人には、「マルチタスクが苦手」という人がいます。簡単にいうと、授業を聞いているぶんにはいいけど、耳から話を聞きながら、黒板を見て、ノートに書く、こういういろんな作業を同時にすることが苦手ですごく疲れるというタイプのことです。こういう人はどれか一つにすると解決します。授業を受けるときはノートをとることをしないで授業を聞くときは聞く、あとから書くに専念したり、もしくは参考書を読むという作業一つに絞ったりするといいです。
私は授業よりも参考書を読むほうが得意なタイプだったのに映像授業で勉強していた時期があり、後から気付くまでにかなり時間を無駄にしました。そうならないように、自分のタイプを最初に考えてみるのがおすすめです。YouTubeなどに授業動画がたくさんあるので、いくつか見てみて考えてもいいと思います。
どうやって進めるか――塾か、通信教育か、独学か
勉強を進めるにあたって、塾に通う、通信教育(タブレット学習)などを利用する、映像授業や参考書などで独学する、大まかにこの三つのどれかを選ぶことになると思います。
なお、現在通信制高校などに在籍していて、中学範囲の復習をする授業などがある人は、それを利用するのも手だと思います。ただ、経験上、その授業さえ受けていればできるようになるかといえばそうではないので、そういう方も以下のどれかを併用することをおすすめします。
塾に通うことをおすすめする人
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勉強習慣が全くない、不登校になる前も勉強をしたことがほとんどない
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自分がどこまで理解しているのかわからない
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わからないことが出てくるとそこでプツンと切れてしまう
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自分で計画を立てたりやり方を決めるより、誰かに決めてもらって指示されたことをやるだけの方が楽
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集団じゃなければ、授業を受けること自体は嫌いではない
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進学や資格試験のために、いつまでにこの範囲を終わらせたいというような期限がある
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ある程度お金をかけられる
以上に該当する人は、塾に通うことをおすすめします。
塾のメリットは、いつまでに終わらせるといった計画を立てたり、勉強法を決めたり、そういうところを塾側に丸投げして、言われた通りに勉強することに専念できることです。また、誰かに監視されることになるので三日坊主になることも少なく、分からなければ先生に聞くことができます。
デメリットは、なんといってもお金がかなりかかることです。不登校の子は集団塾がほとんど選択肢から消えるので、実質個別指導しか選べません。集団は学校に行っている子向けの授業を学校進度かそれより少し早く進めているので、不登校の子には向いていないからです。目安として週1回1教科で1万2千円くらいは覚悟すべきです。
おすすめは、
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個別指導で進度を調節してくれる
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不登校向け・勉強が苦手な子向けと謳っている
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一部教科だけを受講する場合は、他の教科の宿題や学習管理もしてくれる
ところ。今はskypeやzoomを利用するオンライン塾もかなり増えているので、合う塾が見つかる可能性はかなり高いと思います。
通信教育(タブレット学習)をおすすめする人
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自分で勉強はしなくても宿題などはやる方だった
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わからなければネットで調べたりする
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塾で人と接するのに抵抗がある
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授業を受けるのが好きではない、映像授業などは苦手
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月に1万強くらいの金額は出せる
以上に該当する方は、通信教育をおすすめします。
なお、ここでいう通信教育・タブレット教育では、有名な進研ゼミやZ会、スマイルゼミは想定していません。学校進度で勝手に進むので、前の学年の範囲からやり直すというようなことができないからです。
おすすめは「すらら」です。(宣伝とかじゃないですよ!)
最大のメリットは、無学年式なので自分のわからないところまでさかのぼって始めることができることです。自分がどこからわからないのかわからないというような場合にも向いています。単元や学年を設定してテストが受けられる機能があるので、どこができてどこができないのか一目で分かるからです。
デメリットとしては、わかりやすさ全振りのため一単元受けるのにかなり時間がかかることです。学校に行っていた頃成績のいい方だった、というような人には、「それは分かるのに長い、面倒臭い」という感触かもしれません。
授業を受けたことのない範囲を自分で最初からやりたいという場合にはかなりおすすめです。説明の間にも確認問題が入ったり、画面が動きながらの説明なので、一方通行の映像授業よりかなりわかりやすいです。
高校受験や大学受験を目指している人は、基礎をすららで勉強して、その後問題集などをやると効率よく勉強できると思います。
映像授業・参考書での独学をおすすめする人
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勉強は得意なほうだった
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自分で計画を立てるのが得意で、始めてしまえば最後までやる
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自分なりのやり方で進めたい・人にやり方を決められたり指図されるとやる気がなくなる
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わからないことが出てきたらわかるまで自分で調べる
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教科によって得意・苦手の差がかなりある
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中1範囲までは大丈夫・地理は大丈夫など、どこからわからないのか自分で具体的に分かる
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期限が決まっていない、ゆっくり進めたい
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お金にあまり余裕がない
以上に該当する人は、独学をおすすめします。
独学で進めるメリットは、進め方や難易度・スピードを全て自分で決められること。特にやり方を自分で決められることは最大のメリットです。
上の方で、授業を受けるのが苦痛でないかどうか、自分のタイプを見極めることをおすすめしますという話をしましたが、それが一番重要になってくるのがこの独学の場合です。自分にあった方法を探してみましょう。
映像授業と参考書での学習では少し性質が違うので、少し別に特徴を挙げてみます。
1, 映像授業がおすすめな人
・参考書を読むより、授業を受けて耳から聞いた方が理解しやすい
・参考書だといろんな本に手を出してうろうろしてしまう
・お金をかけずに始めたい
以上のような人は、映像授業がおすすめです。
映像授業をメインでやると決めてさえしまえば、やり方を決められずに何からやればいいかわからないというようなことがなくなります。月2千円ほどかかってもいいのであればスタディサプリを試してみるか、本当にお金をかけたくなければYouTubeにトライイットの無料授業動画がアップされています(アプリもあります)。
スタディサプリの優れているところは、授業に使われているテキストを紙で用意できることです。(印刷、または冊子で購入)テキストに沿って授業が進むので、目で見ながら授業を聞くことができます。また、「確認テスト」システムが存在することや、授業動画がレベル別に複数あるのでレベルを選べることもいいですね。
トライイットの優れているところは、とにかくわかりやすいところです。個人的には、スタディサプリの基礎コースよりもトライイットのほうが難易度は低めだと思います。基礎だけをしっかりやりたい人にはこちらがおすすめです。
2, 参考書での独学がおすすめな人
・授業を受けるのが苦手、文章を読んだ方が理解しやすい
・得意な教科と苦手な教科の差が激しい
以上のような人は、参考書を使うことをおすすめします。
参考書学習の最大のメリットは、自分に向いた参考書をとことん探せることです。英語は得意だから問題多めの参考書・理科は苦手だから解説がわかりやすい参考書にするとか、とにかく自由自在です。必ず、本屋で見て一人で進められるかを確認してから買ってくださいね。
終わりに
私は、ずっと勉強が苦手で嫌いでした。やってみようという気になったのは、不登校になって丸一年くらいが経って精神的に落ち着いてきてからです。学校に行けない自分をようやく受け入れ、誰にも強制されない、勉強は100%自分による自分のためのことだと実感すると、不思議とやってみようという気になりました。同じような状況の方はいらっしゃるでしょうか。
自分が学校に行けない理由が自分でも分からなかったり、「学校に行かないなら家で勉強しろ」とか「塾に行けるなら学校にも行けるだろ」とか周りからの理解のない言葉で傷ついてきたり、そういう人もたくさんいると思います。経験者としてひとつ言えることは、「いつもなら・前ならできたのに」という感情だけは綺麗さっぱり消してほしいということです。そういうことを周りから言われても無視してください。39度の熱を出して寝込んでいる時に、大量のトンカツや唐揚げを「いつもならこのくらい食べれるじゃん」と出されても無理なのと同じです。
以前のことは忘れてください。今の自分だけを見てください。学校に行けなくても、勉強してみようと少しでも思えたのなら、それは誇れる第一歩だと思います。